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経営改善ブログ

[2021.6.14]

カテゴリー:経営コンサルタント

梅雨入りしたにもかかわらず、福岡では6月になっても比較的晴天が続いています。

今月のブログは、先月予告したとおり「卸売業」の決算書について、特徴を見ていきたいと思います。

「卸売業」とは、小売業を営んでいる企業や他の同業社等に商品を販売する業種のことです。
特徴としては、同じ種類の商品を大量に取り扱うことが多いことや、一般的に薄利多売のビジネスモデルで
あることが挙げられます。

貸借対照表の特徴は、製造業等と違い製造のための機械や設備等が必要ないため固定資産が少ないことです。

また、卸売業は自己資本比率が高い企業と低い企業に分かれます。
自己資本比率とは企業の総資本のうち自己資本が占める割合を表す指標です。
一般的には、自己資本比率が高い方が安全性が高いとされています。
(余り高すぎるのも考えものではありますが)

卸売業は薄利多売のビジネスモデルであるため、借入金等の負債が高くなりがちな傾向があります。
そのため、自己資本比率も低くなりがちです。ただし、社歴の古い老舗企業も多く、過去からの利益の蓄積により
財務基盤が強固で自己資本比率が高い企業も多く存在しています。

損益計算書の特徴としては、薄利多売のビジネスモデルのため売上総利益率が低いことが挙げられます。
売上総利益率は、売上高から売上原価を差引いた売上総利益が売上高の何パーセントを占めるかを表す(いわゆる粗利)指標です。売上総利益率が高いほど、安定した利益を得ていることになります。

卸売業で決算書を見る時は、「自己資本比率」や「売上総利益率」等にスコープを当ててください。

来月は、「小売業」について述べてみたいと思います。

安部中小企業診断士事務所は、“100年続く企業”を応援しています

[2021.5.15]

カテゴリー:経営コンサルタント

5月もまだ中旬ですが、史上2番目の早さで北部九州は梅雨入りしました。

先月のブログで、『中小企業の決算書は嘘だらけ?』について書かせて頂きました。
今月からもう少し詳細に、業種別の決算書の見方を解説していきたいと思います。

まず最初は、日本のお家芸的な存在の「製造業」から見ていきたいと思います。

「製造業」とは、他社から原材料等を仕入れ、製品(商品)を製造し、販売を行なう業種です。

貸借対照表の特徴としては、製造のための機械・設備・土地等が必要であり、そのために固定資産が
多いことがあげられます。
また、定期的に機械や設備の修繕や入替え等の設備投資を行なう必要があり、そのための資金を準備・調達(借入金も含め)する必要があります。
結果として長期借入金が多いのも製造業の特徴の一つです。

損益計算書の特徴としては、自社で製造するための労務費(人件費)や一部の製造を他社に依頼する外注費の割合が高い
ことです。また、製造業は原価計算によって、細かく原価の管理を行なっているため(そうではない中小企業も多く存在しますが)、他の業種に比べて、コスト意識が高く、そのためコスト(原価)が低い傾向があります。

「製造業」の決算書を見る時は、固定資産の金額(残高)や労務費、外注費等に注目してください。

 

来月は、「卸売業」についてです。

安部中小企業診断士事務所は、“100年続く企業”を応援しています。

[2021.4.28]

カテゴリー:M&A, 経営コンサルタント

中小企業同士のM&A(以下スモールM&A)が、注目されています。

中小企業の半数の127万社が後継者未定であり、経営者が高齢化していることが背景にあります。

スモールM&Aで重要視されるのは決算書です。

ファイナンシャルアドバイザーなど(以下FA)が内容を精査します。彼らが(私もそうですが)、提出された決算書をそのまま信用することはありません。

『中小企業の決算書は嘘だらけ』

これが彼らの大前提です。「預金残高以外は信用しない」と断言するFAも。

彼らの分析手法は、主に2つ。「並べること」と「繋げること」です。

勘定科目を年度順に「並べて」不自然な点を見つける。関連する勘定科目を「繋げて」裏付けを取る。極めてシンプルです。

この分析手法はスモールM&Aに限らず、銀行の融資検討、コンサルタントの事業再生など、様々なシーンで用いられます。

今回は、企業を買う側の立場で、決算書の「疑わしい箇所」をどのように見つけるか。FAたちの手法をご紹介したいと思います。

売上総利益の操作

会社の売却が決定した場合、売る側は自社をどう見せたいのか。

「利益を多く見せたい」と考えるのではないでしょうか。

その場合、最も手軽に操作されるのが「売上総利益(粗利)」です。

この売上総利益をサンプルに利益操作について説明します。

FAの分析手法は「並べる」「繋げる」でした。

まず、「並べて」みましょう。

①売上原価を並べる

年度順に、売上・売上原価・売上総利益を並べます。

直近3年間は以下のように推移したとします。

売上高                 90,000→90,000→90,000

売上原価              50,000→50,000→40,000

売上総利益           40,000→40,000→50,000

FAは、「おや?」と思うはずです。最後の年は、売上が変わっていないのに、売上原価だけ減っている。結果、売上総利益が増えている。不自然です。

②買掛金を繋げる

次に「繋げて」みましょう。

売上原価と関連する勘定科目は、買掛金です。早速「繋げて」みましょう。

売上原価              50,000→50,000→40,000

買掛金                 20,000→20,000→10,000

最後の年、つまり売上原価が減った年だけ、買掛金残高も減っています。何を意味しているのでしょうか。

これは「仕入れの先送り」の疑いがあることを意味します。

今年の売上原価を減らしたい。だったら仕入れなかったことにしれしまえばよい。期末に届いた請求書を放置し、来年度に処理しよう。そういった操作をした場合、上記のような残高構成になります。

さまざまな利益「調整」

このほかにも、いくつかチェックポイントがあります。

・「売上が一定」なのに、「原価が減少」+「棚卸資産(期末の商品)が増加」→売上原価の翌期ずらし

・「役員報酬が減少」+「役員貸付金が増加」→役員報酬の隠蔽

等など

並べる」「繋げる」手法を駆使すれば、決算書の「疑わしい箇所」を見つけることできます。

真摯な態度で

重要なのは、「疑わしい箇所」を発見した場合、相手(売却企業)が説明できるかどうか、ということです。

上記の買掛金の例の場合、「商品の大幅な値下げ」など、納得できる理由が説明できるか、

根拠となる内訳を提示できるか。真摯な態度で情報を開示しているか。

今後、一緒に事業を行っていくうえで、こういった「姿勢」が重要となります。

今回、分析手法を紹介しました。

金融機関が融資を検討するときも、同様の手法で決算書をチェックします。決算書を見られる側になった時、あらぬ疑いをかけられぬよう、説明資料を準備しておくと良いでしょう。

 

私が代表を務めています「福岡事業承継・M&Aセンター」はメンバー全員が国家資格者でスモールM&Aにおける適切なFA業務をおこなっております。

宜しければ、是非、下記のHPをご覧ください。

HP:https://f-bsma.jp/

 

[2021.3.12]

カテゴリー:労務管理, 賃金制度

今年は、桜が早く咲く予報ですね。
毎年、お花見を楽しみしているのですが、今年は密を避け、散歩しながらのお花見になるのでしょうか。

福岡では、緊急事態宣言も解除されましたが、営業時間の短縮は引き続き行われています。
イベントなども、コロナと上手に付き合いながら少しずつ行われています。

さて、そのような中でも、4月1日よりパートタイム・有期雇用労働法の適用が中小企業にも始まります。
いわゆる『同一労働同一賃金』ですね。

この法律では、次のように、正規労働者と非正規労働者不合理な待遇差を禁止しています。

均衡待遇: (1)職務の内容、(2)変更の範囲、(3)その他の事情を考慮して不合理な待遇差を禁止する
均等待遇: (1)職務の内容、(2)変更の範囲が同じ場合には差別的取扱いを禁止する

また、実務的な対応としては、非正規労働者は、「正規労働者との待遇差の内容や理由」などについて、事業主に説明を求めることができ、事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合は、説明をしなければならなくなりました。

事前準備としては、下記の手順で進めていきましょう。
① 社内で非正規労働者を雇用しているか確認
② 雇用形態ごとに、賃金(賞与・手当を含む)や福利厚生などの待遇について、正規労働者と比べて取り扱いに違いがあるかの確認
③ 待遇差があれば、その差に対し、働き方や役割の違いに見合ったものであるか、不合理でないかを確認
④ 不合理といえない場合は是正

もはや猶予はありません。
『企業は人なり』という言葉もあります。
人財は大切な経営資源ですので、経営活動に活かしていくことは大変重要なことです。

当事務所では、同一労働同一賃金についての支援も行っております。

安部中小企業診断士事務所は、“100年続く企業”を応援しています。

[2021.2.20]

カテゴリー:日々の出来事

少しずつ日が長くなり、季節の移り替わりを感じます。
日本でも、期待されてるワクチンの接種が始まるようですし、
昨年より振り回された『コロナ』が落ち着くことに期待をするばかりです。

コロナ禍の始まる前までは、私の住む福岡は、アクセスや立地の面より、
韓国中国をはじめアジアからのたくさんの観光客であふれていました。

駅前にはホテルが建ち、ドラッグストアや家電量販店には大きな買い物袋を持った観光客、
タクシーに詰め込まれる大きなスーツケースを多く目にしていました。

新型コロナウイルスの感染が拡大し、入国制限が行われると一気に消えてしまいました。

あれだけイケイケどんどんだった宿泊業や小売業でしたが、今は閑散としています。

飲食業も然り、大人数での会食が制限され、営業自粛が呼びかけられていますが、

緊急事態宣言の延長で先の見えない状況が続いています。

そのような中、大きく業績を伸ばしている業種もあります。
そのような業種は、早い段階で手を打っていらっしゃいました。

『Chance a pinch』という言葉があります。
日本語で言うと、ピンチをチャンスに変えようといったところですが、今その時ではないでしょうか。
確かに多く中小企業はピンチに陥っているかもしれませんが、そのピンチをチャンスに変え
大きく飛躍するときと考えます。

先月のブログでも申し上げましたが、「この世に生き残る生物は、激しい変化にいち早く対応できたもの」
というダーウィンの言葉は、企業にも言えることではないでしょうか。

ピンチを抜け出すために何を行わなければならないのか、
大きく飛躍するためにはどのようにすればよいのか、何事も絵に描いた餅になってはいけません。
国もあらゆる施策を準備しています。

施策をうまく利用しながら、実現可能性の高い計画はもとより、
実際どのように動いていけばよいのか等の具体的なアドバイスを行うことで、
経営者のピンチをチャンスに変える支援を行います。

安部中小企業診断士事務所は、“100年続く企業”を応援しています。

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