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経営改善ブログ

[2018.7.2]

カテゴリー:人事制度, 賃金制度

6月は各士業の総会が行われる月でした。

私の所属する福岡県中小企業診断士協会も6月9日に総会が行われ、全国でも3人目となる女性会長が誕生しました。

私も、引き続き「福岡県中小企業診断士協会の副会長」及び「福岡部会の部会長」を拝命しましたので、診断士協会の更なる発展に寄与する所存です。

 

さて、先月の1日に、同一労働同一賃金に関して2つの最高裁判決が出ました。1つは正社員と定年後再雇用者の待遇格差が問題となった長澤運輸事件、もう一つは正社員と契約社員の待遇格差をめぐるハマキョウレックス事件です。二つの事件は、正規と非正規の処遇格差について争われた事件でした。

 

長澤運輸事件では、労働条件の決定について、下記のように述べています。

「労働者の職務内容及び変更範囲により一義的に定まるものではなく、使用者は、雇用及び人事に関する経営判断の観点から、労働者の職務内容及び変更範囲にとどまらない様々な事情を考慮して、労働者の賃金に関する労働条件を検討するものということができる。また、労働者の賃金に関する労働条件の在り方については、基本的には、団体交渉等による労使自治に委ねられるべき部分が大きいということもできる。」

すなわち、従業員の賃金などを決定する場合は、職務内容等だけではなく、定年後再雇用に関する国の制度(ここでは、高年齢雇用継続給付、老齢年金等)等のその他の事情も考慮したうえで、経営判断を行ってくださいねということではないかと思われます。

 

会社を経営していく上で、従業員の賃金は固定費となります。この固定費が経営を圧迫している会社は多く見受けられます。また、昨今は、ただでさえ人手不足であり、人材獲得のために人件費が高騰しています。そのような中で、今回の判決の内容によっては、更に経営者に負担を強いる可能性のあったものでした。

 

今後は手当を整備・適正化し、職務上の違い、異動の違い、人事評価、責任の違いを明確にすることが求められます。

この判決を受けて、賃金制度や人事制度の見直しを迫られる企業も多く出てくるものと考えます。また、労使トラブルや訴訟も増えるかもしれません。

 

経営者の皆さま、従業員になぜその額の賃金を支給しているのか説明ができますか?

 

安部中小企業診断士事務所は、“100年続く企業”を応援しています。

 

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