経営改善ブログ
今年は、桜が早く咲く予報ですね。
毎年、お花見を楽しみしているのですが、今年は密を避け、散歩しながらのお花見になるのでしょうか。
福岡では、緊急事態宣言も解除されましたが、営業時間の短縮は引き続き行われています。
イベントなども、コロナと上手に付き合いながら少しずつ行われています。
さて、そのような中でも、4月1日よりパートタイム・有期雇用労働法の適用が中小企業にも始まります。
いわゆる『同一労働同一賃金』ですね。
この法律では、次のように、正規労働者と非正規労働者不合理な待遇差を禁止しています。
均衡待遇: (1)職務の内容、(2)変更の範囲、(3)その他の事情を考慮して不合理な待遇差を禁止する
均等待遇: (1)職務の内容、(2)変更の範囲が同じ場合には差別的取扱いを禁止する
また、実務的な対応としては、非正規労働者は、「正規労働者との待遇差の内容や理由」などについて、事業主に説明を求めることができ、事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合は、説明をしなければならなくなりました。
事前準備としては、下記の手順で進めていきましょう。
① 社内で非正規労働者を雇用しているか確認
② 雇用形態ごとに、賃金(賞与・手当を含む)や福利厚生などの待遇について、正規労働者と比べて取り扱いに違いがあるかの確認
③ 待遇差があれば、その差に対し、働き方や役割の違いに見合ったものであるか、不合理でないかを確認
④ 不合理といえない場合は是正
もはや猶予はありません。
『企業は人なり』という言葉もあります。
人財は大切な経営資源ですので、経営活動に活かしていくことは大変重要なことです。
当事務所では、同一労働同一賃金についての支援も行っております。
安部中小企業診断士事務所は、“100年続く企業”を応援しています。
「2月は逃げる」といわれます。28日しかないので、普通の月より2,3日少ないことになるわけなので、実際そうなのですが、本当にあっという間に過ぎてしまい、3月になりました。
年を取ると、時間が過ぎるのが早いです。ということで54歳になりました。
第一生命が行っているサラリーマン川柳の優秀100句が選出され、優秀作品の投票が行われています。ユーモアたっぷりの、サラリーマンが職場や家庭を題材にした句は読むたびにクスリとさせられると同時に、世相を上手く反映しているなと感じます。
今年は、「定年延長」や「再雇用」に関するものが多くみられました。
平成の初めには、60歳定年は6割程度でしたが、98年に義務化され、06年には65歳までの継続雇用を原則的に義務付ける法律が施行されています。
一部の企業では定年の廃止、「定年延長(定年年齢の引き上げ)」を行っていますが、とりわけ中小企業において行われているのは「再雇用」で、継続雇用制度を導入しているものです。この場合、従業員を60歳で一旦定年退職、労働契約を見直し、再度労働契約を締結し直すスキームです。労働契約の見直しの際に、大幅に賃金を減額するものが多くみられます。
昨年の6月1日の定年後再雇用者の賃金の減額の適法性について争われた長澤運輸事件の最高裁判決は注目されました。「正社員から定年後再雇用されることは、賃金格差を不合理ではないとすることの1つの事情となること」を認めています。
※不合理ではない≠合理的である
しかし、本件では、労使交渉の上、老齢厚生年金の支給開始まで一定の手当てを支給し、賃金設計において一定の配慮を行っており、賃金全体で2割程度の相違となっていたためですこのような判決が出ているものと思われます。
よって、『60歳で定年です。給与6割下げますね』ということではありません。
人間の寿命が100年を超えようかとしている時代、会社の寿命をもっと伸ばしていくことが、経営者の社会的責任ではないかと思われます。
安部中小企業診断士事務所は、“100年続く企業”を応援しています。
6月は各士業の総会が行われる月でした。
私の所属する福岡県中小企業診断士協会も6月9日に総会が行われ、全国でも3人目となる女性会長が誕生しました。
私も、引き続き「福岡県中小企業診断士協会の副会長」及び「福岡部会の部会長」を拝命しましたので、診断士協会の更なる発展に寄与する所存です。
さて、先月の1日に、同一労働同一賃金に関して2つの最高裁判決が出ました。1つは正社員と定年後再雇用者の待遇格差が問題となった長澤運輸事件、もう一つは正社員と契約社員の待遇格差をめぐるハマキョウレックス事件です。二つの事件は、正規と非正規の処遇格差について争われた事件でした。
長澤運輸事件では、労働条件の決定について、下記のように述べています。
「労働者の職務内容及び変更範囲により一義的に定まるものではなく、使用者は、雇用及び人事に関する経営判断の観点から、労働者の職務内容及び変更範囲にとどまらない様々な事情を考慮して、労働者の賃金に関する労働条件を検討するものということができる。また、労働者の賃金に関する労働条件の在り方については、基本的には、団体交渉等による労使自治に委ねられるべき部分が大きいということもできる。」
すなわち、従業員の賃金などを決定する場合は、職務内容等だけではなく、定年後再雇用に関する国の制度(ここでは、高年齢雇用継続給付、老齢年金等)等のその他の事情も考慮したうえで、経営判断を行ってくださいねということではないかと思われます。
会社を経営していく上で、従業員の賃金は固定費となります。この固定費が経営を圧迫している会社は多く見受けられます。また、昨今は、ただでさえ人手不足であり、人材獲得のために人件費が高騰しています。そのような中で、今回の判決の内容によっては、更に経営者に負担を強いる可能性のあったものでした。
今後は手当を整備・適正化し、職務上の違い、異動の違い、人事評価、責任の違いを明確にすることが求められます。
この判決を受けて、賃金制度や人事制度の見直しを迫られる企業も多く出てくるものと考えます。また、労使トラブルや訴訟も増えるかもしれません。
経営者の皆さま、従業員になぜその額の賃金を支給しているのか説明ができますか?
安部中小企業診断士事務所は、“100年続く企業”を応援しています。
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