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経営改善ブログ

[2021.9.11]

カテゴリー:経営コンサルタント, 経営改善

新型コロナウイルスは中々収束しませんが、9月に入りずいぶんと涼しくなり秋の訪れを感じます。

さて今年の5月からブログにアップしていました「業種別決算書」の見方シリーズですが
今回第5回が最終回になります。

最終回は、建設業・不動産賃貸業・運輸業を一度にアップさせていただきます。
盛りだくさんになりますが、最後までお読みいただければと思います。

まず、「建設業」ですが、建設業は建物を建てる建築業や、電気工事、給排水工事等の工事業等が該当する業種です。
元請けとして、自社で材料を仕入れ建物を建築する場合もあれば、下請け工事のみを行なっている会社もあります。

貸借対照表の特徴としては、他業種と比べて現金預金の残高が多いことです。
これは、長期間の工事の場合、予め代金の一部を前受けしているためです。
固定資産の割合は、製造業に比べると比較的低い傾向があります。

損益計算書の特徴としては、外注費の割合が高いことです。
大手企業になればなるほど、下請け企業に外注する割合が高くなります。
下請け企業になるほど、外注の割合は低くなる傾向にあります。

建設業の決算書を見る場合には、現金預金残高や外注費等に注目してみましょう。
また、建設業は他の業種と違い、建設業簿記という建設業ならではの仕訳や勘定科目があります。
その点も理解して決算書を見る必要があります。

次に、「不動産賃貸業」です。不動産賃貸業は、賃貸用の不動産(土地・建物)を所有し、継続的に家賃や地代を
得る業種です。

貸借対照表の特徴としては、不動産を所有しているため、固定資産の割合が高くなります。
また、賃貸用の不動産は、金融機関の融資を受けて取得しているのが一般的であるため、借入金等の負債も多いです。

損益計算書の特徴としては、賃料による売上高が比較的一定しているということです。賃料の増減が無ければ
比較的安定した売上高を上げることが出来ます。

不動産賃貸業の決算書を見る場合には、固定資産の割合や負債残高、賃料による売上高に注目してみましょう。

最後に「運輸業」です。運輸業は旅客運送業やトラック運送業、倉庫業等が運輸業に該当します。
トラック運送業等の貨物の運送においては、中小・小規模企業が多くなっています。

貸借対照表の特徴としては、旅客運送業のように顧客が個人の場合は現金売上であるため、現金の割合が高くなり
顧客が企業の場合は、掛売上となるため売掛金等の売掛債権の割合が高くなります。

損益計算書の特徴としては、燃料費や外注費の割合が高くなることです。

運輸業の決算書を見る場合には、業種にあわせて現金・売掛金・燃料費・外注費等に注目してみましょう。

今まで、製造業・卸売業・小売業・サービス業、そして今回は、建設業・不動産賃貸業・運輸業等の
業種別の決算書の見方を見てきました。ご紹介した内容は、あくまでも一般的なものであります。
その企業により、独自の特徴がある場合もあります。
また、決算書は単年だけを見ても経営判断などは出来ません。複数年を比較して見ていくことで、大きな変動等に
気づき、経営改善を行なうことが出来ます。
決算書を確認するときは、複数年のものを見る必要があります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

安部中小企業診断士事務所は、“100年続く企業”を応援しています

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